「出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令案概要」等に係る意見募集について への意見
第2 育成就労計画に係る規定の整備
9 育成就労を行わせる体制及び事業所の設備(1)コ(イ)
事業所で過去1年以内に離職者が発生していた場合、原則、育成就労生の受け入れができないことを規定する条文であるが、例外事由として、①定年、②労働者の重過失による懲戒解雇、③有期雇用労働者の重過失による雇止め、④労働者の意思による自発的辞職、の4つの場合のみが列挙されている。しかしながら、「認定計画の必須業務の製品が半年たってもミス頻発、正当な業務命令を何度も無視する、遅刻、無断欠勤を何度もする等の行為に対する就業規則に基づいた、また労働組合と労基法上の解雇に関する手続きを踏んだ上での、解雇権濫用に該当しない合理的理由による解雇」についても列挙事由に加えるべきである。その理由は、上記の「」書きの事由を欠いたままでは、社会通念上、解雇の相当性を満たした場合でも育成就労生に対しては日本人労働者に比べて著しく解雇が困難となりかねないからである。
11 単独型育成就労実施者の監査の体制の基準
単独型育成就労の監査は内部監査(育成就労実施者の役員または職員が行う)と規定され、外部監査と規定された監理型育成就労の場合に比べて、中立的、客観的な監査が保証されていないことから、単独型育成就労の監査についても外部監査のみと規定するべきである。
11 単独型育成就労実施者の監査の体制の基準
単独型育成就労の監査は内部監査(育成就労実施者の役員または職員が行う)と規定され、外部監査と規定された監理型育成就労の場合に比べて、中立的、客観的な監査が保証されていないことから、単独型育成就労の監査についても外部監査のみと規定するべきである。
15 送出機関に支払った費用の額の基準
「なお、報酬の2月分を超えた金額については育成就労実施者に負担させることができるものとし、日本語能力評価試験の取得水準に応じて、未取得者は0円、N5相当取得者は最大10万円まで、N4相当取得者は最大20万円までとする。」という、日本語能力の取得を評価する内容の規定を加えた方が、育成就労実施者の納得と理解を得やすい。
22 法第9条の2第4号ハの主務省令で定める基準(1)ア、イ
本人都合による育成就労生の転籍先の事業所の住所が指定区域(いわゆる地方)にあっても、転籍先申請者の住所(法人では定款の本店)が指定区域外(例えば、東京都の銀座○丁目)であれば、本規定の効果は発現し難いことから、転籍先の事業所の住所を指定区域に該当するか否かの指標とすべきである。
第3監理支援機関に係る規定の整備
4 監理支援事業を遂行能力 (2)ア、イ
私の住む北海道を例に挙げると、釧路湿原その他の道東地域では、個人事業主の酪農家が1人の技能実習生を3年間雇用するケースが多数存在し、一つの監理団体が傘下の計30実施者、計40人の技能実習生の実習監理を職員1人で担当する場合がある。一方で、製造業が密集する小樽市、札幌市から苫小牧に至る道央圏では、一つの監理団体が同じく計30実施者、計150人の技能実習生の実習監理を職員5人で担当する場合がある。これに本施行規則を適用した場合、最少の役職員人数は前者が5人(職員4人の増員が必要)、後者は5人(職員の増員不要)となり、道東地域では人件費の増加に伴う監理費の値上げは避けられない。つまり、監理支援機関の法定役職員数が、育成就労実施者当たりの平均育成就労生数が少ないほど多くなるという致命的な欠陥を本施行規則は規定している。監理支援機関の実習監理に携わる役職員数は、地域の実情に応じて、自主的に創意工夫が可能な制度設計とすべきであるという理由から、この規定は削除すべきである。
【以上】